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2010年3月2日火曜日

宇高フェリー廃止問題に触れて


←宇野港に停泊する四国フェリ


宇高航路のフェリー廃止が問題になっている。
最近、玉野に行く機会が多いので宇野港のフェリー乗り場に行ってみた。
確かに、乗船する車は少なくなっているように感じられる。
それでも出向を待つ大型トラックなどの列を見ると、このまま廃止してしまうのかと、さびしい思いがわいてくる。
地元玉野市や対岸の高松市、岡山香川の両県でもフェリー廃航を何とか食い止めようと国に訴えたり運動を起こしている。
宇高航路は特に玉野市にとっては町の看板のようなもので、かっては国鉄の連絡船が街をにぎわしていた時代が長く続き、そして、瀬戸大橋開通後は、連絡船は廃止になったが、フェリーは健在で今まで維持してきた。
長距離を走るドライバーにとっては、フェリーの1時間は適当な休息の時間にもなり、結構利用する車も多かったと思う。そして、瀬戸大橋に対抗する安い料金は、地元を初め多くのフェリーファンがあって、航路を維持してきた。高松市に通ったり、市民の足にもなってきた。
それが、100円高速の直撃を受けた。結構利用者のあった、週末の一般利用が完全に打撃を受けて皆無に等しい状況になった。これでは航路を維持することは見えない。民主党政権になり、政策の変化を期待したが、1000円高速はそのまま持続されており、高速料金無料化を政策に掲げた民主党政権は高速料金の上限制を検討している。


↓玉野沖を航行する国道フェリー

私は高速料金の無料化には基本的には賛成である。膨大な資金を投入されて作られた高速道路が高い国惻料金のゆえに敬遠され、長距離トラックなどが、あえて一般道を長時間かけて走っている、それによる渋滞や大気汚染はどれくらいか?さらに料金の高さと利用率の低さからくる、物流コストの増大が、地方の産業の発展を阻害している。
また有料高速道路のゆえに、並行して無料で走れる、一般道やバイパスが建設されるという無駄も多く生じている。





だからと言って、一挙に無料化はどうか?
特に、前政権が末期にやった「千円高速」 これは良くない
土日に集中する、一般道の渋滞、一度降りると再び料金を払わなければならないので、延々と高速道路を一般車が占領する。
確かに、これまで何千円、何万円とかかった長距離をたった「千円」で走れるのだか使わない手はない。遠出のできなかった一般ドライバーには朗報であった。
しかし、国の根幹である、物流においては、発生する渋滞によって却って多くの損害を生じた。

急激な、人気取りの、目玉政策は困ったものだ!
良い政策も、その結果生じるマイナス面にも十分配慮をして、よく検討し、時間をかけて実施すべきである。

その目玉政策の犠牲になっているのが、真面目に航路を維持してきたフェリー業者や。高速バスの業者である。
これは問題である。

岡山香川県民にとって、瀬戸大橋が無料になればどれほど便利であろうか。
そうすれば、岡山と香川の間で通勤もできれば、自由に観光にも行ける。物流も大幅に増える。
私など、好きな寺社参りもできるし、ついでにおいしい讃岐のうどんめぐりもできる。
いいことずくめで以前から瀬戸大橋の無料化、あるいは、一般高速並みの低料金を主張してきた。

だからと言って今回のように、急激な政策の変化によって、フェリーの足が一挙になくなり、これまで航路に従事してきた百何十人かの船舶従事の皆さんが職を失うようなことを看過することはできない。
航路維持や万一廃止する場合も、しかるべき代替策を、しっかりととらなければならない。

だいたい、これまでの国の政策には地方や弱者への配慮があまりにも欠けて来ている。
民主党政権になってそのあたりが少しは変わるのかと期待したが、どうも期待外れのようである。

国全体、あるいは世界全体がより豊かになるために、産業への投資や、産業を支えるインフラの整備などに国が力を入れていくのは当然である。
しかし、その一方で、決して忘れてはならないのは、地方や、弱者が切り捨てられるようなことが絶対あってはならないということである。
ところがどうも、最近の「規制緩和」や国の政策の方向は、大都市や、富裕層、あるいは既得権層に傾いて、地方の振興や、弱者を作りださない政策は見たことがないようである。
どんなに地方の、どんなに小さな一人にも、国全体の豊かさをともに享受できるようにするのが本物の国ではなかろうかと、しみじみ思う。

宇高航路の廃止という、国全体から見れば取るに足らない、小さな問題のようでも、それに国がどのような判断をし、方向付けをするのか、しっかり見ていきたいと思う。 

宇高国道フェリー




1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

宇高国道フェリーが路線廃止を取り下げたとのニュース。
とりあえずは、地元はホッとしているが、これも暫定6月まで、とりあえず、船会社側は経営努力で続けると言っているが、限界があろう。
思いやりのある国策を期待したいものである。

国民も、目玉商品のようなものに載せられないような努力がひつようだ。