まず、5月例会の様子を代表代行久井勲氏のコメントより
<国吉康雄>明治21年、岡山市出石町で生まれる。17歳で県立工業学校を退学し,冒険と幸運を求めて単身渡米。バンクーバー、シアトルで苦労しながら、絵の才能を見出され、美術学校に通い、最初は印象派的流儀を学ぶも、やがて気だるさと哀歓を絶妙に描く独自の画風を確立。ニューヨークを拠点として活躍する中で次第に名声を得る。日米間で戦雲が垂れ込める時代にあって、なお画風は日本人としてのアイデンティティーを語るものへ傾斜する。戦後、米国市民権を求めたが、手続き完了直前、ニューヨークにて他界。(昭和28年、享年64)。作品の多くは、ベネッセコーポレーションにて収集されていたが、いまは県立美術館に寄贈されている。
第45回(5月21日)の例会は、近藤泰宏氏に「片山潜」についてお話をいただきました。片山潜の詳細な年譜のほか、彼の思想の依って来たる所 (内村鑑三との異同は顕著ですし、社会主義に触れたことで労働運動へ傾斜していったことは、日本の近代政治思想史上の特筆点といえるでしょう)、また、現代における意義について触れていただきました。
詳細な資料は、かねてからの研究に負うものですが、氏自身、片山潜から何代か後の姻族上の係累につながるようで、そういうことが研究動機の背景の一部にあったようです。
ともあれ、片山潜は、渡米、渡露、渡欧と、20世紀初頭の日本にあって、斯くまで精力的に社会主義思想の流入と実践に尽瘁した人物は少ないでしょう。岡山県人の、とことんまで追究する心意気を感じました。
6月の例会は下記のとおりです。
日時:平成22年6月18日(金)※ 午後6~8時 (※通例は第3金曜日です)
場所:岡山県立図書館の2階
取り上げるテーマ:「国吉康雄」
講師:久井 勲 参加費:500円
(大正・昭和の社会史が半分と芸術鑑賞論が半分の語りとなります)
参加は自由です。 吉備楽土にメールくだされば案内差し上げます。
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