18日は岡山人物銘々伝を語る会の4月例会でした。
今回は黒住教教祖「黒住宗忠を語る」と題して、黒住教教学局学院長の黒住信彰先生にお願いして話をしていただきました。
黒住教は身近ですし、日頃から近所にある宗忠神社にも参拝させていただき、時折教祖伝なども目に触れさせていただいていましたので、おおよその生涯や教えの一端は聞いていましたが、今回黒住先生のお話を聞いてあらためてその偉大さを実感させていただきました。
宗忠教祖はいかに親孝行だったか~雨の日に父母が、下駄と草履と別々のアドバイスをくれた少年宗忠が、思案のあげく下駄と草履を両方の足に履いて転んだという逸話は有名ですが、何よりその背景にある親子の情の深さを信彰先生より伺い、納得することができました。
親孝行が「こうでなければならない」という、戒律的なものではなく、何より親子の情に根ざしたものであることを実感いたしました。特にお母さんの情愛の深さをとても実感させられて、家庭における母親の大切さをあらためて思い知らされました。
両親が急な病で次々と亡くなって、「立派な日本一の神主になって喜んでもらおうと思って修行していたすべての希望が潰えて、失望のどん底に陥りもはや命もここまでという時に、深い悟りの境地に至ります。
自らが心を暗くして命まで失うようなことは決して親の喜ぶことではない。そう気づいて太陽を拝しつつ、自らの心境を明るく切り開いていった時に、最高最大の神様の本体とも言うべき存在との感動的な出会いに、立教の出発があったのです。
初めから病気を治したり、様々なお陰をもたらす権能を求めたわけではありませんでした。本当に謙虚にただひたすら神様の心と一つになりたいと一心に修行した結果が、そのような権能も持つように至らしめたのです。
別のところで述べましたが「神様の開運を祈る」という境地にまで至ったことはとてもすごいことだと思いました。
黒住教の教会をおとづれた時の何とも言えない家族的な空気の元はこの教祖の祈りと精進の結実が受け継がれているのだなあ!と実感した次第です。
「続・太陽の神人黒住宗忠」著:山田雅晴 の中には黒住宗忠の法然上人やイエス・キリスト、王陽明等との共通性が紹介されています。本当の神様との一体化の境地を実感された方だなあとの印象でした。
上述の本には黒住宗忠を生み出した吉備の風土についても触れられています。
元伊勢神社や吉備の中山の岩倉に見る信仰のルーツなど、ここ「吉備楽土」のテーマに結びつく内容も紹介されていました。
黒住の教えは日本の宗教史上、とてつもなく大きな役割を果たした教えであると実感させられました。
私なりにこのあたり、もう少し整理して見たいと思っています。
人物伝、来月は杉嘉夫さんによる「池田忠雄と石」です。
来月も来場よろしくお願いいたします。
5月例会
5月16日(金)18:00~県立図書館の予定です。
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