平成25年5月5日
「岡山人物銘々伝を語る会」第82回例会のご案内
代表世話人代行 久井
勲
第81回(平成25年4月19日)の例会は、杉嘉夫さんが「池田綱政と後楽園」について語ってくれました。平生、後楽園で観光ボランティアガイドをしていらっしゃることもあって、聴く側の期待にそった平易な語り口は聴きごたえのあるものでした。今日の後楽園は観光名所としての庭園という印象が強いですが、杉さんの講話では、綱政の ①公家文化 への憧れと流儀店, ②観音信仰と慈眼堂、③防衛構想と芝生が 見落としてはならない点となっています。綱政の人柄は巷説では、あまりよいものではありませんが、それは幕府への一種の陽動作戦のようなもので、藩を政治的にも財政的も安定経営していくための要諦をよく知ったうえでの振る舞いであったのかもしれないとする杉さんのお話は、なかなか斬新で説得力のあるものでした。綱政の造園構想のよってきたるところについて杉さんは、イ)参勤交代の途中、光政・綱政がそれぞれの娘の嫁いだ京の一条家によく立ち寄っていたこと、ロ)幕府からの指示で禁裏造営役を担当したことが切っ掛けになっているのでは、としています。こういう裏面を披露してもらうと、後楽園の見方がまた変わってくるようです。歴史の中に為政者の思いや憧れといった主観的な面が見えてきます。機会があれば、後楽園でガイドの杉さんから改めてお聞きしてみたいものです。
■5月例会は、通常通り下記の要領で開催いたします。
日時:
平成25年5月17日(金)※ 午後6~8時 (※通例は第3金曜日です)
場所:県立図書館
2階サークル活動室 内容:「鶴見家の人々 人生のリセット~老いの醍醐味」
講師:内山章子(あやこ)氏 参加費::1,000円
講師 内山章子さんについて(田中浩明さんの紹介から)
内山章子(あやこ)さんは、以前当会で発表のあった絹糸紡績業の先駆者鶴見良憲氏(平成24年4月・田中浩明氏が発表)の孫、 鶴見俊輔氏(平成24年8月・高橋義雄氏が発表)の妹です。ほかに父の文筆家・政治家の鶴見祐輔氏、姉に上智大学教授・歌人の鶴見和子、母方の祖父に政治家の後藤新平氏など多くの著名人がおられます。
ご主人の内山尚三氏は東大法学部を卒業後、法政大学の法学部長・札幌大学学長を勤められ、平成14年に亡くなられました。 祖父の鶴見良憲氏は高梁市備中町の生まれで、父の鶴見祐輔氏は祖父の仕事の関係で群馬県の生まれですが、小学校のとき、父とともに岡山に来て旧制岡山中学から一高・東大卒業後、鉄道省に勤務、その後岡山県から、衆議院議員に当選し、戦後は厚生大臣に就任しています。
内山章子さんは、自書の「雪中花」や「鶴見和子病床日誌」などで、母(後藤新平の長女)、父(鶴見祐輔)、早逝した長男、夫(内山尚三)の看病をし、最後に姉の鶴見和子の死を看取り、自分自身の最後の人生をスタートさせたと云われています。
母からは祖父・後藤新平の三訣「人にお世話にならぬよう。人のお世話をするよう。そして、報いを求めぬよう」を聞かされ、これを心にとめ、生きて来られたと述べています。
昨年、8年がかりで京都造形芸術学部通信教育部を卒業されました。83歳での卒業です。
父様である鶴見祐輔さんや後藤新平の娘である母や兄弟姉妹のことなどのお話しとともに、「人生のリセット~老いの醍醐味と題して、老いとともに益々人生の醍醐味を味わって生きられる生き様を語っていただきます。
参加希望の方は吉備楽土(山田)似ご連絡ください。
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